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社長コラム
2019.09.01

賃貸業界に於ける2つの問題

『このコラムは、年6回パートナー企業様向けに発行しているリーフレット、「LANDMASTER NEWS」に掲載されたものです。』

 

『賃貸住宅の仲介手数料は原則0.5カ月分  手数料の一部返還認める 東京地裁』

「賃貸住宅を借りた際に、家賃1カ月分の仲介手数料を支払った借り主の男性が「原則は賃料0.5カ月分だ」として、仲介業者の東急リバブル(本社・東京都渋谷区)に手数料の一部返還を求めた訴訟で、東京地裁(大嶋洋志裁判長)は「業者が男性から承諾を得ていなかった」として男性の請求を認めた。」

出典:yahoo japan ニュース

 パートナー企業の皆様も、既にこの記事をお読みになっているかと思います。今回東急リバブルさんは、上告されるとのことですが、不動産賃貸業界にとって2つの問題を考えるいい機会なのではないでしょうか?

 そもそも論として、まず第一に双方代理の問題を解決すべきでしょう。現在の日本の不動産物件媒介の現場は、貸主と借主の双方代理が可能な状態です。これでは、健全な媒介は不可能です。貸主は高く貸したい。借主は安く借りたい。この状況での両方から手数料をいただく双方代理には無理があります。せめて、双方代理が解決できないのであれば、貸主のみが媒介手数料を支払う形にすべきではないでしょうか?

そして二つ目の大きな問題として、都心部を除き、賃料1ヶ月分の媒介手数料では賃貸仲介事業が成り立たないということです。1ヶ月に40本の媒介をする賃貸仲介店舗があったとします。スタッフはマネジャーを入れて5名とします。経験上おおよその販管費は350万円程度です。媒介手数料売上目標は、利益分を入れて400万円必要だとなると、媒介1本あたり平均目標手数料は10万円です。日本の賃貸住宅の平均賃料は52,595円(全国賃貸管理ビジネス協会・2019年3月)なので、国内ほとんどのエリアに於いて1ヶ月分の媒介手数料では、店舗経営は不可能です。管理売上を含めない純粋な仲介店舗は、2ヶ月以上の媒介手数料をいただけなければ、経営が成立しないのです。そこで、貸主からいただく、AD・広告費・入居促進費といったグレーゾーンが登場します。客付には、ネット掲載、反響受付、ご案内、契約、入居ガイダンスといった労働集約的コストやネット広告コストが必ずかかってきます。当社では、現在ひと月に150本の客付をしていますが、客付に必要な販管費は1500万円以上です。この当社データでも1本あたりの客付コストは10万円以上なのです。民間の賃貸住宅の需給関係を見ても、今後借主からの媒介手数料を期待するのは無理があります。これらの問題を解決するためには、業法を改正し2ヶ月以上(10万円以上)の媒介手数料を貸主一方から合法的にいただけるようにすることしか方法はないのではないでしょうか?これによって双方代理が解消され、グレーゾーンが登場しません。

当社では、この2つの問題の解決策として客付は殆どがサブリースの形をとっていますが、今後の業界の健全な発展のために、業法改正を強く期待してやみません。

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