現代の不動産・建設業界の問題として、媒介時の双⽅代理という仕組みと、過剰な賃貸住宅建設があります。まず、双⽅代理とは、貸主・借主または売主・買主の代理⼈が同⼀であるという状態です。原告と被告の弁護⼠が同⼀⼈物ということはありえませんが、不動産取引の場合はかなりの率で賃貸・売買とも双⽅代理での媒介が成⽴しています。
不動産の売り⼿、貸し⼿はできるだけ⾼く価格を設定したいのが合理的な考えであり、買い⼿、借り⼿は、当たり前ですが低い価格設定を望みます。この双⽅を代理すると、どうしても利益相反をおこします。 しかし、この仕組みが法的に改善される兆しは、今の所ありません。
現在、国内の⺠間賃貸住宅を利⽤する世帯数は1200万世帯といわれています。しかし住宅インフラとしての⺠間賃貸住宅⼾数は1600万⼾存在し、400万⼾が空室の状態となっています。
⼾建住宅や分譲マンションに関しては実需に根ざした供給がされていますが、⺠間の賃貸住宅に関しては、施主にとっての相続税対策としての建築が多く、需要に合わせて供給するといった感覚は建築業者にも施主にも殆ど無いのが現状です。それでも、住宅メーカーは節税対策を営業の切り⼝に、年間40万⼾もの賃貸住宅を⽇本中に建設しています。
増加し続けた⽇本の総世帯数も、2023年には5419万世帯でピークアウトを迎えるそうです。賃貸住宅ニーズのあるエリアでの賃貸住宅開発は必要だと思いますが、不要なエリアに節税⽬的で、⾃然にも経済的にもインパクトの⼤きい賃貸住宅を建設するのは、今後⽇本にとって⼤きな問題となってくると考えております。
当社は、⾮アパート・マンションメーカー系マスターレッシー(借上保証会社)として、既存の、地域に根ざした不動産企業様から、中古賃貸住宅を1室ずつ借上を行うことで賃貸事業を部分的に運営代⾏するサービスを関東・中部・関⻄・九州エリアで展開しております。
我々の役割としては純粋にリーシングと賃料集⾦保証業務に特化し、物件管理業務やオーナーコンサルティング部分は既存の不動産企業に残るため、既存の地域不動産企業の事業も侵⾷せず良好なパートナーシップを築きながら事業を拡⼤しております。不動産オーナー様からは、⻑いおつきあいのある不動産会社を他社にスイッチせず、借上保証サービスを受けることができたと喜んでいただいております。
また、仲介者ではなく、貸主として借主様に対して責任ある対応を⾏うことができ、⼊居契約時の負担である、⼿数料・礼⾦・敷⾦不要の初期費⽤設定や、賃料設定に於いても借主様にとって地域で最も経済的負担の少ない賃貸物件を⽬指して商品作りを⾏っております。
地域の不動産企業や不動産オーナー、⼊居者にとっての適切なサービスをそれぞれに対して利益相反せず、また⾃然や地域経済に対して⻑期的な負荷をかけずに、提供し続けていくことが我々のミッションと⾔えます。