『このコラムは、年6回パートナー企業様向けに発行しているリーフレット、「LANDMASTER NEWS」に掲載されたものです。』
不動産業界に関わって30年以上になりますが、金融引き締めや金融危機によって、その度に勢いのある業界のベンチャー企業が、市場から退場していくのを見てきました。
政府による金融政策である1990年の総量規制による不動産バブル崩壊と、アメリカの金融危機が世界の金融業界に大きく影響した2008年のリーマンショックが、その代表と言えるでしょう。
アメリカの中央銀行にあたるFRBは、今年になって3回の利上げを行い、政策金利は3%を超えてきました。現在のアメリカにおけるインフレは、利上げによる景気悪化と引き換えにしてでも抑えるべきという考えなのでしょう。
そして、金利の低い日本円が売られ、円安傾向が強くなってきました。円安になることで輸入資材が割高となり、ここ数年上昇してきた建築費が今後、更に上がっていくのは確実です。
長期金利に影響する「10年国債」の利回りは、1990年9月末で、7.90% 2008年9月末で、1.42% 先月末で0.27%です
2006年までは公定歩合と呼ばれた「基準割引率および基準貸付利率」は、1990年9月で6.00% 2008年9月で0.75% 先月で0.30% です。
現在活躍している不動産業界のプレイヤーの多くが、日本で長く続く低金利を活用して事業を拡大しています。
バブル崩壊から32年、リーマンショックから14年、日本の金利がもし今後上がるようなことがあれば、円安による建築費高騰と合わせて、不動産プレイヤーにとって注意すべき状況になるのではないかと思われます。